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自衛官から民間へ──「人間関係のギャップ」にどう向き合ったか?

長年勤めた自衛隊を離れ、民間企業に転職してから、人との距離感に大きな違いを感じました。
今回はその「戸惑い」と、そこからどう信頼関係を築いていったのか──僕自身の体験をもとにお話しします。


目次

自衛官時代の人間関係──濃密だからこその難しさ

自衛隊という組織は、極限の状況下で築かれる「深い結びつき」が特徴です。
24時間を共にする仲間たち。訓練でも任務でも、時には生活の場でも、助け合いながら絆を深めていく毎日でした。

  • 上下関係は厳格
  • 指示系統は明確
  • 命令で動くことが基本

そんな中、僕は教育隊で“鬼軍曹”と呼ばれるほど、厳しく指導する立場にいました。
若さゆえ、あえて“悪役”を買って出ることもありました。嫌われても構わない。命を守る術を叩き込むために、厳しさは必要不可欠──そう信じていたからです。

やがて一般部隊に異動し、裏方の任務を担うようになってからは、自然と自分の中の角が取れ、周囲とも和やかな関係を築けるようになっていきました。


「丸くなった自分」を嘲笑うような空気

再び教育隊へ呼び戻されたとき──そこにあったのは、かつての同僚の変化でした。

かつて“鬼軍曹”だった僕に対し、虚勢を張ることで後輩に“俺のほうが上”と見せつけようとする。そんな空気が見え見えで、正直バカバカしかった。

ちゃびん

「“あいつをここまで丸くできた俺はすごい”──そんなふうに見せたいのが透けて見えて、バカバカしかった。俺は相手にしなかったけどね。」

後輩たちもそれを見て笑う。でも、言い返さなかったのは、弱さじゃない。
むしろ“自分の誇り”だった。

僕は再び配属された教育隊では、裏方として教育を支える立場。
前に立つ彼らの立場やプレッシャーも、よく分かっていました。

学生の前に立つ以上、威厳や自信を保つのは当然。
だからこそ、目立つ僕に対して虚勢を張りたくなる気持ちも、分からないわけではありません。

若かった頃の自分にも、そういう一面があったと思います。

ちゃびん

「そういう振る舞いは、遠からず自分の身を削ることになる──いずれ気づく時がくる。」


かつて感じていた“一体感”の薄れ

昔は確かにあった仲間との一体感。苦しい訓練を乗り越えた後の、あの熱いチームワーク。
でも年齢を重ねるにつれ、少しずつその空気が薄れていった。

代わりに目につくようになったのは、陰口、悪口、足の引っ張り合い──。
もちろん、自衛隊全体がそうというわけではありません。
ただ、僕が体験した現場では、そうした空気に触れることが増えたのです。

それは、少しずつ自衛隊という組織そのものに対して、冷めた気持ちを抱くきっかけにもなっていきました。


転職後──「信頼の築き方」が変わった

民間企業に入ってまず驚いたのは、人との距離感でした。
自衛官時代のように、四六時中一緒にいるような濃密な関係はない。

でもその代わりに、信頼の基準が明確だったんです。

  • 無理に馴れ合わない
  • 成果を出すことで評価される
  • 「信頼=行動」であることに気づいた

飲み会も自由参加。愚痴を言い合う場ではなく、建設的で前向きな話が飛び交う
「チームでどう目標を達成するか?」という意識が共有されている。
その空気が、今の僕にとってとても心地よく感じられるのです。

【まとめ】──変化の中で見えてきた「自分の軸」

信頼される方法に、決まった“正解”はありません。

  • 厳しさで守ってきた時代もある
  • 黙って誇りを守った時期もある
  • 今は、結果と姿勢で信頼を築いている

どの時代の自分も、自分なりに真剣に生きてきたと思えます。
そして、**そうした経験を経た今、「自分らしさを大切に、変化を受け入れて進むこと」**が、僕の生き方になっています。

ちゃびん

どんな環境でも、自分を失わずに信頼される存在でいたい──それが、今の自分の“芯”なんだと思います。

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