MENU

制度に守られた評価から“実力で勝ち取る評価”へ|自由と責任の中で働くということ


自衛官時代、僕は順調にキャリアを積んできました。陸曹教育隊で優秀な成績を収め、その後は教官として教育隊に勤務しました。若い隊員たちの指導にあたり、評価もされていました。昇任も滞りなく進んでおり、正直、このまま定年までやっていくものだと思っていました。

でも、あるときふと感じたのが、**評価されているようで、されていないかもしれない**という違和感でした。


目次

評価されていた“はず”の自衛官時代

自衛隊の中での評価は、一定の仕組みの中で与えられるものでした。昇任に必要な教育、成績、年数。そして「中期実員管理」と呼ばれる組織配置に従えるかどうかが、評価の大きなポイントになります。

僕は陸曹教育隊での優秀な成績が評価され、教官としての道に進みました。その仕事にもやりがいがあり、実績としては十分に誇れるものだったと思います。後輩の指導に熱意を持ち、日々の訓練だけでなく、人間関係のフォローにも気を配っていました。

「このまま管外異動に応じないと、昇任には響くかもしれません。」

あるとき上司からそう告げられたとき、胸の奥がザワついたのを今でも覚えています。家庭の事情を抱えながら、仕事も誠実に続けていた僕にとって、それはただの通告ではなく、「組織の期待に応えられなければ道は閉ざされる」という無言の圧力でした。

あれだけ頑張ってきたのに、評価は“組織の都合”に左右されてしまうのか。

このとき初めて、「制度の外側に出た瞬間、努力が評価されないことがある。」と実感しました。


制度が“守ってくれる”という安心感と限界

自衛隊の評価制度は、ある意味でとても公平です。必要な訓練を受け、必要な成績を出し、必要な年数を積み上げれば昇任できます。

※これは、あくまで私が現役時代に肌で感じた個人的な見解です。

裏を返せば、「枠から外れないこと」が重要でした。

どれだけ努力しても、ある条件を満たさなければ先に進めない。そのとき僕は、自分の評価は制度に守られていたのだと気づいたのです。

その守られた仕組みは、ある意味で安心感もありました。ルール通りにやっていれば、評価される。無理をしなくても、制度の中にいれば、ある程度の将来は保証されている。そんな居心地の良さが、自衛官としての僕の生活を形作っていたのかもしれません。

けれど、裏を返せば、それは自分の力で未来を選ぶことができない枠の中にいるということでもありました。


民間で出会った“実力主義”という新しい評価軸

転職後、僕はGWOの安全教育インストラクターとして働いています。そこには、自衛隊とはまったく違う評価の仕組みがあります。

  • 誰かに言われなくても、動いた人が評価される
  • 数字や態度、成果で見られる
  • どんな立場でも、やった人が認められる

最初は戸惑いました。何を基準に見られているのか、どう動けば正解なのか分からないこともありました。けれど、少しずつ慣れるにつれて、ある感情が芽生えてきました。

ちゃびん

「やっと、自分の力で勝負できる場所に来たんだな。」

それまで感じていた評価の曖昧さが、民間では驚くほどシンプルでした。「動いたか」「結果を出したか」──それがすべての基準でした。


自由は厳しい。でも、心地いい

民間に来て感じたのは、指示がなければ動かなくていい雰囲気ではないということです。むしろ放っておかれることもあります。

でも、それが僕には心地よかったのです。

守られていないからこそ、動けます。考えられます。工夫もできます。

今までなら「言われたことをきちんとこなす」が正解だった環境が、「自分で考えて、自分の責任で動く」環境へと変わったのです。

それは確かに厳しさも伴いますが、自分の存在価値がそのまま目に見える形で認められる感覚がありました。

ちゃびん

「今の僕は、自分で評価を築いている。」

そう実感しています。


自衛官時代に学んだことは、決してムダではない

もちろん、自衛隊時代に学んだことは今も自分を支えてくれています。

  • 朝の清掃を率先して行うこと
  • チームでの連携や、後輩の面倒見
  • 非常時に瞬時に判断する力

これらは、今の職場でも確実に活きています。

民間だからこそ、それが見える形で評価されることがとても嬉しいのです。

また、教官としての経験が今のインストラクター業務にも直結しています。伝える力、場の空気を読む力、実際に体を動かしながら教えるスキル。どれも自衛官時代の積み重ねがあってこそ、今の自分につながっています。


同じように悩む40代のあなたへ

僕がこうして転職を決断したのは、自衛官としての立場や制度だけが理由ではありません。

最近では、自衛官に限らず、会社員や公務員でも「このままでいいのか」と感じる40代が増えているという傾向があります。

実際、ネット上の調査や記事でも、40代でキャリアに悩み転職を考える人の声は数多く見られました。

  • 思うように評価されない
  • 仕事は続けているが、心がついてこない
  • 管理職にはなったけれど、納得感が持てない

僕が感じた「制度の枠にいる限り、自分の力を試せない」という気持ちは、きっと多くの人にも共通しているのではないでしょうか。

ちゃびん

「自分の力で勝負したい。」

そう思ったときが、動き出すチャンスかもしれません。

会社の制度に守られることも大切です。でも、そこでモヤモヤを抱えたまま過ごしていくのではなく、自分の働き方や生き方にしっかりと向き合うことが、これからの時代にはより重要になっていくと思います。


まとめ:評価は、もらうものではなく築くものです

順調だった自衛隊キャリアに違和感を持ち、思い切って飛び出しました。

そこで気づいたのは、**評価というのは「与えられるもの」ではなく、「自分で作っていくもの」**だということです。

ちゃびん

「実力で評価されるのは、やっぱり気持ちいい。」

今の僕はそう感じながら、働いています。

そして、同じように悩んでいる誰かに、僕の経験が少しでも届けば嬉しいです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次