「資格さえあれば転職できる」と思っていませんか?

「とりあえず資格を取っておけば、転職に有利だろう。」
そう考えて、在職中に講習を受けたり、技能証明を積み重ねてきた方も多いのではないでしょうか。
私自身も、自衛官時代にいくつもの訓練・講習を受け、「これで転職も安心だ」と思っていました。
しかし、いざ民間に飛び込んでみると——



「え…この資格、まったく評価されてない…?」
そんな現実に直面することになったのです。
自衛官が取っても“使えなかった資格”ランキング TOP5
以下は、転職エージェントや人事担当者、求人票などのデータをもとに構成したランキングです。
🥇 第1位:普通救命講習(自衛隊内)
民間企業で基準となるのは、消防署などが実施する「公的な講習修了」。
自衛隊内部の講習では証明力に乏しく、履歴書に書いても評価されづらいのが現実です。



「応急処置できるのに、それが“証明”にならないなんて…」
一部の警備業界では加点対象になることもありますが、あくまで補足的なものと捉えられています。
🥈 第2位:無線通信技能(自衛隊内)
自衛官にとっては重要な任務の一つでも、民間との規格の違いがネックになります。
企業が求めるのは「第一級陸上特殊無線技士」などの国家資格。自衛隊内の通信訓練は評価対象になりにくいのが現状です。
🥉 第3位:教官・訓練指導員
格闘・レンジャー・空挺など、指導歴としては申し分ない実績でも、それは**“資格”としては扱われません**。



「教えた経験なら誰にも負けないのに…」
履歴書の資格欄に書けないため、面接での説明力が必要になります。
伝え方次第で大きな武器になる一方、それが難しいという課題もあるのです。
🪜 第4位:特殊車両の運転技能(戦車・高機動車など)
部隊内での運転経験が豊富でも、民間で運転するには公道向けの大型免許が必須。
訓練修了だけでは通用しません。
🪜 第5位:NBC・CBRNE対処訓練(化学・生物兵器対応)
非常に専門性の高いスキルではあるものの、それを活かせる民間の職種は極めて少ないです。
産業安全や災害対応の場で役立つことはありますが、そこでも**“言語化して説明できる力”**が求められます。
なぜ評価されないのか?共通する3つの理由


民間で“評価されにくい資格”には、共通した3つの特徴があります。
① 汎用性がない
→ 自衛隊特有の設備・環境でのみ通用するスキルであり、一般企業では活かせないことが多い。
② 証明力が弱い
→ 国家資格や公的認定がないと、採用担当者が「比較・判断」できないため、評価が難しくなる。
③ 書きづらく伝えにくい
→ 「経験としては素晴らしい」のに、履歴書には記載できず、説明しないと伝わらない。結果的に埋もれてしまう。
「意味がない」わけじゃない。レンジャー課程が教えてくれたこと


たとえば「レンジャー課程」。
これほど過酷な訓練を経験したことがある人間は、民間にはまずいません。
5日間、水も食事も睡眠も一切なし。
感覚は研ぎ澄まされ、静かな山奥でも、遠く離れた沢を流れる水の音が聞こえるようになる。
暗くて真っ暗な山の中。
なのに、木と木の隙間が“玄関の軒先”に見え、その先には家族が楽しそうに食卓を囲む幻覚が浮かんでくる。
それでも歩き続ける。
極限まで追い詰められると、飴玉一つで「あと何メートル先まで歩けるか」を正確に計算できるようになる。



「あの状況でも、やり抜いた自分がいる。」
資格では測れない「人間の底力」こそ、あなたの本当の強みです。
それは必ず、民間の職場でも活かされる瞬間が来ます。
これから取るなら?民間で評価されやすい資格4選
資格を取りたいなら、以下のような「求人票に書かれている資格」から選ぶのがおすすめです。
資格名 | 特徴 | 活かせる職種 |
---|---|---|
第二種電気工事士 | 国家資格/インフラ・建設現場で需要高 | ビル管理、発電所、工場メンテナンス |
危険物取扱者(乙4) | ガソリン・灯油などの取扱必須 | 倉庫、運送、製造、燃料関連 |
フォークリフト技能講習 | 実技重視/即戦力になりやすい | 物流センター、倉庫、運送会社 |
PPE点検員(GWO) | 高所・風力発電設備などで急成長中 | 安全インストラクター、高所作業点検員など |



「求人票で“必須”と書かれているかどうか」が、評価されるか否かの大きな分かれ目です。
まとめ:「資格があってもなくても、自分がやれるかどうかがすべて」


「この資格、意味なかったな…」と感じることがあっても、それは決して無駄な経験ではありません。
その失敗があったからこそ、自分がどう進むべきかが見えてくる。
資格があっても、なくても。できるかできないかは、結局、自分次第。
転職は「資格を持っている人」が勝つのではなく、
「経験と覚悟を、自分の言葉で伝えられる人」が勝つ世界です。
あなたが積み重ねてきた努力は、決して消えません。
それを、次の一歩に変えていきましょう。
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