約20年間勤めた自衛隊を離れ、民間企業に転職してから1年が経ちました。
環境は大きく変わりましたが、その中で見えてきたのは、**新しい「生活の整え方」**でした。
この記事では、転職によってどのように生活のバランスが変化したのか、
**「収入」「仕事」「プライベート」**の3つの視点から、率直にお伝えしていきます。
収入の変化──安定から可能性へ

「転職して最初に気になっていたのは、やはり収入面の変化でした。」
自衛官時代は月給制で、毎年の昇給や安定したボーナスが支給されていました。
現在の職場でも月給制ですが、月収ベースではむしろ少し増加しています。
ボーナスの安定感については、公務員時代の方がやはり安心感があったと思います。
ただ、これはあくまで転職1年目の段階での比較です。
民間企業では、実力や成果に応じて収入が増えていく可能性があります。
これから先の努力次第で、さらに上を目指せる環境があると感じています。
そして大きな違いとして、副業が可能になったことがあります。
自衛官時代は副業が法律で制限されていましたが、今の職場では自由に取り組むことができます。
私は現在、ファイナンシャルプランナー(FP)や第二種電気工事士の資格取得を視野に入れて学習を進めています。
収入は“もらうもの”から“自分でつくるもの”へと意識が変わってきました。
その感覚が、私の視野や行動の幅を大きく広げてくれています。
仕事の変化──“命を守る”使命のかたちが変わった
自衛官として、私は訓練や災害派遣、部隊格闘の指導など、命を預かる現場に立っていました。
現在は、民間企業で安全教育インストラクターとして働いています。
命を守るという意味では、役割は変わっていないと感じています。
現在は、GWO(Global Wind Organisation)認定のBST(Basic Safety Training)講師として、
現場で働く方々に対して安全知識や対応力を伝える仕事をしています。
また、ART(Advanced Rescue Training)のアシスタントとして研修にも参加しています。
民間企業では、自衛隊のように明確な指示があるわけではありません。
その分、自分で考えて行動する力が求められます。



「最初は戸惑いもありましたが、今ではその自由度の高さがやりがいになっています。」
また、全国への出張も多く、地域ごとの文化や人とのふれあいも新鮮です。
仕事を通して、自分の人生経験が豊かになっていることを実感しています。



「働きながら、自分自身が成長していける環境にいることがありがたいです。」
プライベートの変化──“量”から“質”へと変わった家族との時間
自衛官時代は、土日祝日が比較的安定して休めるため、家族との時間も確保しやすい環境にありました。
我が家の子どもたちは全員が野球をしており、週末はグラウンドで一緒に過ごすのが日常でした。
グラウンドでの時間は、私たち家族にとってかけがえのない日々でした。
しかし、転職後は出張や業務の都合で、週末を家族と過ごせる機会が減ってきました。
最初は寂しさもありましたし、家族に申し訳ない気持ちにもなりました。
ただ、それをそのままにしておくのではなく、私は考え方を変えることにしました。
大切なのは、過ごす時間の“長さ”ではなく、“質”なのだと。
現在は、家族とのグループチャットを活用して日々の出来事や情報を共有し合っています。
直接会えなくても、日常のやり取りで家族の存在を常に感じられます。
離れていても、心の距離が近く保てているという感覚があります。
また、帰宅できた週末には、妻との食事や会話の時間を大切にしながら、短くても充実した時間を心がけています。
忙しいからこそ、一緒にいられる時間に感謝するようになりました。
転職を通じて得た“自分の人生を選ぶ”という実感



「振り返ってみると、転職して本当によかったと感じています。」
もちろん、安定を手放すことに不安はありましたし、決断には勇気が必要でした。
しかし、今では自分で選んだ人生を歩んでいるという実感があります。
- 収入は、安定から可能性へ
- 仕事は、命を張る現場から、命を守る教育へ
- プライベートは、時間の多さから、時間の質へ
自分で整えていく人生は、大変な部分もありますが、その分やりがいがあります。
自分で考え、選び、動くことによって、自分の人生を主体的にデザインできるようになったと思います。
まとめ:変化を恐れず、自分の未来を整えていく
転職には、不安やリスクが伴います。
ですが、それ以上に得られるものがあると、私は実感しています。



「もし自衛官を定年まで続けていたら、きっと挑戦する気力は失われていたかもしれません。」
人生はいつからでも変えられます。
変化の先にこそ、自分らしい生き方があるのではないでしょうか。
家族も、仕事も、収入も──すべてを大切にしながら整えていける道はあります。
これからも、自分で選ぶ人生を丁寧に歩んでいきたいと思います。