
「今の備えで、本当に家族を守れるのか?」
転職後、民間で働くようになってから私は、保険の見直しや老後資金のことを現実の数字として向き合うようになりました。
「安心だから入っているつもり」が、実は「よく分からずに払い続けていた」だけだったと気づいたのです。
この記事では、私が実際に行った保険の見直し・老後資金の再設計・必要保障の整理について、情報をベースにお伝えします。
【1】老後に必要なお金──“足りない現実”を数字で見る
金融庁や生命保険文化センターの調査によれば:
- 夫婦2人の最低限の生活費:月23.2万円
- ゆとりある老後生活費:月37.9万円
- 公的年金(夫婦2人・厚生年金)平均:月21.8万円
つまり──
- 最低限でも毎月1~2万円の赤字
- ゆとりある生活なら月16万円の赤字
となります。



「なんとなく大丈夫、じゃなくて“数字で見てみる”。それだけでも、見える景色が変わります。」
【2】必要な老後資金は2000万~3000万円
赤字額を30年間で試算すると:
- 月5万円の赤字 × 30年 → 1800万円
- 月10万円の赤字 × 30年 → 3000万円
いわゆる「老後2000万円問題」は、誇張ではなく現実的な課題です。



「言葉だけ聞くと大きく感じるけど、“月々いくら足りないか”を知ると、現実的な備え方が見えてきます。」
【3】自衛官特有の退職金制度──“一時金”はあっても油断できない
自衛官には独自の退職金制度があります。
- 若年定年退職者(3曹・2曹など)は、54歳前後で退職 → 一時金1,000万~1,400万円前後
- 60歳まで勤務していた場合との差額は若年給付金で補填される
ただし、以下のような現実もあります:
- 再任用制度での給与は年収200〜300万円台に下がる
- 一時金は、住宅ローン・教育費・親の介護などで数年で消える可能性あり



「もらった瞬間の安心感より、“どう使うか”が老後を左右するなと実感しました。」
【4】私が行った“保険の見直し”──保障内容はこう変えた
転職を機に、私は保険の中身を「なんとなく安心」から「数字に基づいた設計」へ変えました。
終身医療保険(掛け捨て→終身保障)
- 長期入院・手術・先進医療への備え
- 解約返戻金あり=資産としても有効
- 公的医療制度とのバランスを考慮して選定
必要最低限の死亡保障
- 葬儀・遺品整理・お掃除代など**“最後の費用”に特化**
- 子どもが成長した今、大きな保障は不要と判断
- 払いすぎの死亡保障をカットして固定費を削減
収入保障保険(二重構成)
- 一括支給型:遺族の初期費用・教育費に備える
- 分割支給型:月々の生活費をカバー(生活水準維持)
- → 生活の安心を“月ベース”で設計できる安心感



「見直したことで、“守るために入ってたはずなのに、払いすぎてたかもしれない”と気づけました。」
【5】「保険はいらない」って本当?SNSで見る“保険不要論”への冷静な視点
最近よく目にする意見:
- 「高額療養費制度があるから医療保険は不要」
- 「死亡保険なんて独身や資産があればいらない」
- 「保険はコスパ悪い、投資に回せ」
たしかに、若くて独身で貯蓄もある人には当てはまることもあります。
しかし、私たちのように:
- 家族がいる
- 教育費・住宅ローンがまだ続いている
- 自分が急にいなくなったとき、生活を守りたい
という立場であれば、**「必要な分を、自分で理解して選ぶ」**ことが最善です。



「必要かどうかは“誰を守りたいか”で決まる。僕は家族を守る手段として選びました。」
【6】保険に“入ってる”だけでは守れない|見直すべき5つのチェック項目
- その保険、いつ・何に・いくら出るか把握してる?
- 今のライフスタイルに合っているか?
- 死後の費用(葬儀・遺品整理など)を含めているか?
- 定年後も保険料を無理なく支払い続けられるか?
- 家族に「この保険、どうやって使うか」を説明できるか?



「安心って、“入ってる”じゃなくて、“使える”が大事なんですよね。」
【7】保険は“心配の解消”ではなく、“生活設計の一部”
保険にたくさん入る=安心、ではありません。
私の結論はこうです:



「保険は“未来の安心をお金で買う”道具。自分で選び直すことで、“不安”が“納得”に変わりました。」
総まとめ|「今すぐ辞めなくてもいい。でも、“考える力”だけは手放さないでほしい」
ここまで、2回にわたって「自衛官としての将来に不安を感じたときに、どんな備えができるか」をお伝えしてきました。
💡 前編では:
- 定年制度やキャリアの限界、行動のタイミング、家族との話し合いなど、“思考のきっかけ”を
💡 後編では:
- 保険の見直し、老後の生活費、現実的な金額や設計の実例とともに、“具体的な備え方”を
💬一言メッセージ



「転職しろ、辞めろ、とは思っていません。
でも、“何も考えずにその日を迎える”のは本当にもったいない。
選ぶ力も、備える力も、“考えた人”にだけ残されるものです。」
総論:備えとは「情報」と「行動」の掛け算
不安をゼロにすることはできません。
けれど、不安に名前をつけて言語化すること、そして具体的な選択肢を知ることで、それは「対処可能な課題」へと変わっていきます。
・情報がなければ、行動はとれない。
・行動がなければ、未来は変わらない。
このシリーズを通じてお伝えしたかったのは、まさにこのことです。
将来に備える力は、ほんの小さな「気づき」から始まります。
その一歩が、きっと未来の安心につながるはずです。