自衛隊で感じていたやりがいと違和感

「誰よりも働いても、それが報われるとは限らない…」
私は自衛官として、21年もの間、厳しい訓練や災害派遣などに従事してきました。
人の役に立てること、仲間と協力して任務を果たすことに誇りを持っていました。
しかし一方で、年功序列に偏った評価制度や、仕事ができる人に業務が偏る構造には、少なからず違和感を覚えていたのです。
実力と評価がかみ合わない現実



「頑張る人に仕事が集まり、そうでない人は“楽をしている”ように見える。」
自衛隊では、任務遂行能力だけでなく、在職年数によって階級が上がるケースもあります。
結果として、現場で力を発揮している人が、必ずしも正当に評価されるわけではない状況も多く見受けられました。
そのうえ、給与体系も基本的には横並び。
昇進も、ある程度“時間”が解決してくれる世界。
だからこそ、次第に「面白み」を感じなくなっていた自分がいました。
転職という“挑戦”を選んだ理由



「このまま定年まで勤め上げて、本当に後悔しないのか…?」
そんな想いが募っていく中で、私は思い切って転職を決断しました。
次に選んだのは、民間の風力発電関連企業。
現在は、GWO(Global Wind Organisation)の安全教育を行うインストラクターとして働いています。
民間に飛び込んで最初に感じたこと



「あれ、誰も何も指示してくれない…?」
自衛隊とはまったく異なる文化に最初は戸惑いました。
任務においては明確な指揮命令系統が存在していた自衛隊。
それに対して民間では、自分で考え、判断し、動くことが求められます。
必要な情報は自分で集め、仕事の優先順位も自分で組み立てる。
指示待ちでは通用しない世界だったのです。
でも、そこに“面白さ”があった



「努力がそのまま“評価”につながる。」
少しずつ慣れていく中で、私はこの働き方の魅力に気づきました。
民間では、上司の主観だけでなく、成果やクライアントの反応、チームのパフォーマンスがきちんと評価に反映されます。
だからこそ、「やった分だけ返ってくる」という実感が持てる。
これは、自衛隊時代にはなかったモチベーションの源でした。
自分で考えることの責任と価値



「誰も助けてくれないからこそ、真の力が試される。」
もちろん、自由であるぶん責任も伴います。
「誰かが教えてくれるだろう」では通用しません。
必要な知識は自ら調べ、現場では臨機応変な対応が求められる。
でも、そこで役立つのが──
**自衛隊で培った「現場力」「観察力」「段取り力」**でした。
すべての判断が「自分ごと」になる



「ひとつの判断が自分の評価に直結する。」
今の働き方では、毎日の判断がそのまま自分の成果となって返ってきます。
だからこそ、達成感や責任感が段違いに強い。
一見するとプレッシャーに思えるかもしれませんが、
それが逆に大きな成長実感ややりがいに繋がっているのです。
安定を手放すという決断と、その先にあったもの



「本当にこれで家族を守れるのか──」
転職に踏み切るうえで、家族の存在は常に頭にありました。
特に安定を捨てることへの不安は、計り知れないものでした。
でも、今なら言えます。



「あの時、転職してよかった。」
働き方が変わったことで、視野も、可能性も、ぐっと広がりました。
自衛隊の経験は“確かな武器”になる



「今の自分は、過去の積み重ねの上にある。」
自衛官として過ごした時間は、今も私の**“土台”**となっています。
- 整理整頓・清掃の意識
- 危険予測と安全確認の徹底
- 仲間との信頼関係
- いざという時の判断力と行動力
それらすべてが、民間でも通用する力になっています。
転職に悩んでいるあなたへ



「今の環境に違和感があるなら、それは“動け”というサインかもしれません。」
私は「安定の中にある違和感」に気づき、そこから動き出しました。
結果として、今では毎日が充実し、自分の成長を実感しています。
転職がすべての正解だとは言いません。
でも、**「もっと自分を活かしたい」「評価されたい」と感じているなら、
ぜひ選択肢として“民間への一歩”**を検討してみてください。
さいごに



「自分で考え、自分で動く。」
その姿勢を忘れずに、これからも進み続けたい。
転職によって私が得たのは、
**働く手応え・成長の実感・そして“家族との向き合い方”**です。
この経験が、同じように迷っている誰かのヒントになれば嬉しいです。