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【元自衛官が解説】GWOインストラクターに向いている5つの理由|安全教育のプロになる条件とは?

「自衛官から民間に転職して、GWOインストラクターってやっていけるのかな?」

僕が転職活動中に感じていた素朴な疑問です。そして今、実際にGWOトレーニング施設で働くインストラクターとして、はっきり言えます。

この仕事、自衛官経験がめちゃくちゃ活きる。

この記事では、GWOインストラクターという専門職の全体像と、なぜ元自衛官に向いているのかを、実体験と最新データをもとに解説します。


目次

GWOインストラクターとは?|風力発電業界の「安全教育の要」

GWO(Global Wind Organisation)は、風力発電業界における国際的な安全教育機関です。

インストラクターは、GWOが定める国際基準に基づき、次のような講習を行います。

  • 高所作業(Working at Heights)
  • 応急処置(First Aid)
  • 火災対応(Fire Awareness)
  • 救助(Manual Handling / Advanced Rescue
  • 電気の基礎(Basic Technical Training)

風力発電の現場では高所・危険・緊急対応が常につきまとうため、「安全を教えるプロ」が不可欠です。

GWOインストラクターは、単に教えるだけではなく、受講者の命を守る知識と判断力を育てる仕事です。

ちゃびん

「“命を守る訓練”という意味では、自衛隊と通じるものがあります。」


資格と要件|GWOインストラクターになるために必要な条件

GWOの公式基準(Instructor Qualification Standard:IQS)では、インストラクターには以下のような要件が求められます:

  • 100時間以上の職業訓練指導経験、またはGWO公式インストラクター資格(IQT)の修了
  • 指導分野に関する実務経験例:高所作業、救急対応など)
  • 身体的健康状態(高所・重作業に耐えうること)
  • 応急処置資格の保有(赤十字など)
  • GWOの各講習を自ら受講済であること(例:BST, ART, SLSなど)
  • 英語の基礎読解力(WINDAシステムや教材が英語中心のため)

🔗 出典:GWO Instructor Requirements – Global Wind Safety

さらに、インストラクター育成には以下の2つのルートがあります:

POCD方式(現場育成型)

  • 参加(Participate
  • 観察(Observe)
  • 共同指導(Co-instruct)
  • 単独指導(Deliver)

IQT方式(公式研修型)

  • IQT:初心者向けトレーナー研修(9日間)
  • IQTX:インストラクター経験者向けクロスオーバー
  • IQTT:トレーナーを育てるトレーナー研修

GWOによれば、2024年には全世界で年間53万件以上の講習が実施され、登録講師数は3,000名以上にのぼります。日本国内でも講師不足が慢性化しており、今後も需要が拡大する見込みです。

🔗 出典:GWO Annual Report 2024


元自衛官がGWOに向いている5つの理由

ここからは、僕自身の経験をもとに、「なぜ自衛官出身がGWOインストラクターに向いているのか」を解説します。

① 規律と安全意識

自衛官の基本、それは「安全を守るための行動の徹底」です。

  • 声出し点呼
  • 5分前行動
  • 報連相と確認動作

これらはGWOの安全教育でも、そのまま活きます。ミスや事故を防ぐ意識は、現場の命を守る最前線に繋がっています。

② 体力と装備慣れ

  • 高所での重装備作業
  • 狭い足場での姿勢保持
  • PPE(個人防護具)の扱い

これらは、自衛官時代に嫌というほど訓練しましたよね。現場での余裕は、体力だけではなく、経験値の差です。

③ 教える力と統率力

  • 教育隊勤務の経験
  • 格闘指導官としての指導実績
  • 教えながら動きを見て、声をかける力

GWOでは、実技中の観察・指導が重要です。「ただ見ている」ではなく、「評価しながら助言する力」が問われます。

ちゃびん

「“怒鳴る”ではなく、“伝わる”を意識するようになりました。」

④ 緊急時対応力

GWOの実技訓練中には、以下のような事態も起こりえます:

  • 高所での体調不良(熱中症、眩暈)
  • ハーネス不適合
  • 救助時の連携ミス

こうした場面でも慌てず、受講者を安全に誘導できるのは、災害派遣や訓練現場を経験してきた自衛官ならではの強みです。

⑤ 現場適応力と応用力

GWOトレーニング施設は、場所も機材も限られています。

そんな中でも、レゴで風車を作って発電教材を作ったり、廃材から補助具を作ったり。

「無いなら作る」「今あるもので工夫する」精神は、まさに訓練を回す現場で役立ちます。

ちゃびん

「“応用力が評価されてる”と上司に言われたとき、自衛隊での経験がちゃんと伝わってると感じました。」


自衛官との違いと、民間での成長

民間で働くようになってから、いくつか“変えた”ことがあります。

  • 命令口調をやめ、問いかけ型に変える
  • 理解度の確認を重視する(例:「なぜそう思いますか?」)
  • 初心者の目線で説明する癖をつける

安全教育は、「怖さ」で教える時代から、「納得と実感」で教える時代へ変わってきています。


GWOインストラクターというキャリアの魅力

  • 日本国内では2024年以降に施設数が増加
  • BST(Basic)からART(応用)、SLS(高所救助専門)まで指導範囲を広げられる
  • 年収は500〜600万円が相場(講師のスキル次第で700万円以上も)
  • 土日祝も稼働があるが、その分やりがいも大きい

今後、日本でも「再生可能エネルギーの担い手育成」が国策化される中で、インストラクターのニーズは右肩上がりです。

🧠 Deep Point:

GWOは今後5年間で世界45万人の技術者を育成する目標を掲げており、日本国内でも講師数が慢性的に不足しています。


まとめ|第二の使命は、“命を守る訓練”を伝えること

自衛官としてのキャリアを終えたとき、「これから自分にできることは何か?」と真剣に考えました。

そして今、GWOインストラクターとして、もう一度“命を守る側”に立てていると感じています。

  • 教える力
  • 安全を徹底する力
  • 命の重みを知っていること

これらすべてが、GWOの現場で活きています。

ちゃびん

「第二の使命。それが今の僕にとってのGWOインストラクターです。

この記事が、「自衛官としての経験って、どこまで通用するの?」と不安を抱えている方の背中を押せる一助になれば幸いです。

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