「辞めたい理由」、ちゃんと答えられますか?

「辞めたい」と感じるのは自然なことです。
ただ、その理由が明確でなければ、辞めた後に後悔する可能性が高いのも事実です。
💬「人間関係が面倒で…」
💬「訓練ばかりで将来が見えない」
💬「自由な時間がもっと欲しい」
その気持ちはよく分かります。ですが、“嫌だから辞める”では危険です。
民間はもっと自由で楽に見えるかもしれません。でも、転職後に「こんなはずじゃなかった」と感じる人も少なくありません。
辞める前に、ちゃんと準備していますか?
僕自身、自衛隊を辞めた人間です。
でも、勢いだけで辞めたわけではありません。
- 自衛隊時代から資産形成(NISA・iDeCo)を実践
- 家族と何度も話し合い、生活設計を共有
- 民間の働き方を外部の人を通じて研究
- 伝える力・指導力を活かす道を検討
「辞めたい」ではなく「どう生きたいか」を考えて準備していたからこそ、今があります。
自衛隊時代の“過ごし方”が、その後を左右する
自衛隊という組織は、ある意味で閉鎖的です。
でも、何を経験するか、どう過ごすかで、その後の人生は変わってきます。
僕は幸いにも、若い頃から責任ある業務を任されてきました。
- 教育隊の教官として若手隊員の育成に携わる
- 格闘指導官として戦技指導
- レンジャー課程修了で培った応用的な行動力
- 訓練運用担当として人員配置・食料・装備・車両・宿泊先の見積り・調整
- 人事(補任)業務では昇任・成績・異動に関する管理にも関与
こうした経験が、今の安全教育インストラクターという民間での仕事に直結しています。
一方で、「なんとなく過ごしてきた人」が、僕の転職を見てこう言うことがあります。

「ちゃびんさんも辞めたし、自分もいけるんじゃないかと…」
──それは、ちょっと違う。
そう伝えたくなるのは、“その後の準備”の差があまりに大きいからです。
自衛隊の良さも、ちゃんと伝えたい


「辞めたら幸せ」ではなく、「自衛隊の良さ」も理解したうえで選んでほしいんです。
実際、自衛官の待遇は民間と比較しても優れた点が多くあります。
✅ 休暇制度(年間休日)
- 年次休暇:年間24日付与(民間平均は16.6日)
- 特別休暇:結婚・出産・忌引・子の看護など
- 育児休暇:最長3年取得可(女性取得率ほぼ100%、男性も増加中)
- 実際の平均取得日数:約17.6日(2022年・防衛白書)
✅ 福利厚生
- 医療費:自衛隊病院や基地内診療所で無料(または非常に低額)
- 住居:営内無料、または住宅手当(月額最大28,000円前後)
- 食事:営内食で3食支給される環境あり(食費補助あり)
✅ 共済制度・給与の安定
- 共済組合:給付・保険・低金利ローンなど整備
- 定期昇給とボーナス(年2回)制度あり
- 国家公務員としての年金制度
✅ 家族への支援
- 自衛官向け託児所:約80施設以上(防衛省管理)
- 住居近くへの異動配慮(特に子育て世代)
「辞めること=正解」とは限らない
民間に出て実感したのは、“実力”がすべてという現実です。
自由度は上がります。でも、そのぶん評価もシビア。
上司に「頑張ってます」と言うだけでは通用しません。
- 成果主義
- コミュニケーション力
- 変化への柔軟性
- 休日の確保は自己管理次第
自衛官の「安定」は本当に貴重なものであり、それを「我慢」と捉えるのか「保障」と捉えるかで道は変わってきます。
まとめ:「辞める」前に、自分に問いかけてみてください
僕は、転職してよかったと本気で思っています。
でもそれは、「自衛隊が嫌だったから」ではなく、「外で実現したい目標」があったからです。
だからこそ、これから辞めようとしている人に伝えたい。



「なぜ辞めたいのか?」
「辞めたあと、何をしたいのか?」
「そのための準備はできているか?」
「辞めるな」と言いたいのではありません。
「辞めるなら本気で準備をしてほしい」──それが、僕の本音です。
コメント
コメント一覧 (1件)
[…] 転職を「辞めたい」だけで決めないために必要なこと […]