「自衛官の経験は通用するのか?」という疑問

「自衛官としての経験は、民間で通用するのか?」
転職を考える元自衛官にとって、最も不安なポイントかもしれません。
実際、私も「体力と根性だけでやってきた自分に、何ができるんだろう」と悩んだ時期がありました。
でも今、私はGWO(Global Wind Organisation)認定の安全教育インストラクターとして、民間の現場で働いています。
結論から言うと──自衛官で培った“伝える力”は、民間でもしっかり通用しました。
この記事では、私が評価されたスキルや仕事の内容、現場で求められる力について、リアルにお伝えします。
GWOインストラクターとは?どんな仕事?


GWOとは、風力発電業界で世界的に認められている安全教育の国際基準です。
私はこのGWOの基準に沿ったインストラクターとして、以下のような研修を担当しています:
- 高所作業の安全管理
- 救助訓練(要救助者の搬送)
- 火災対応や消火器の使用訓練
- マニュアルハンドリング(力作業の安全な方法)
受講者は風力発電の現場で働く技術者や作業員で、年齢や経験もさまざま。海外からの参加者も多く、価値観も大きく異なります。
そんな多様な環境で、何より求められるのが「わかりやすく、伝える力」です。
評価されたのは“伝える力”
私は自衛官時代、格闘指導官として隊員に戦技や体術を指導してきました。
また教育隊でも、隊員の育成に関わる中で「相手の理解度に応じて教え方を変える力」を磨いてきました。
この経験は、まさにGWOインストラクターに求められる力と一致していたのです。
- 相手の表情や反応を見て説明の順番を変える
- 実技を見せながら、言葉でも補足する
- 「言ったつもり」ではなく「伝わったか」で判断する
これらの指導姿勢が、民間の受講者からも評価される場面が多くありました。
言葉だけじゃない。“動きで伝える力”も活きた


ある研修では、海外から来た受講者に対し、言葉ではうまく伝わらないことがありました。
でも、自衛隊時代から身につけていた「動きで見せる」スキルが役立ちました。
- ジェスチャーと簡単な英単語を交えて説明
- 実技を先に見せてからポイントを伝える
- 視覚資料(写真・図)を効果的に使う
その結果、言語の壁を超えて理解してもらえたとき、「やっぱり“伝え方”が大事なんだ」と実感しました。
実体験を交えた話(熱中症対応や止血訓練など)も、マニュアル以上に響く場面が多くあります。
民間で活かせる他のスキル例
自衛官の経験は、言い換え次第でさまざまなスキルとして評価されます。
自衛隊での経験 | 民間でのスキル表現 |
---|---|
格闘・戦技の指導 | 実技トレーナー・講師 |
規律・時間厳守 | 信頼性・納期遵守 |
日常点検・装備管理 | 安全管理意識・設備管理 |
報連相(報告・連絡・相談) | コミュニケーション能力 |
弱い隊員への配慮 | チームマネジメント・気配り力 |
「考えるより動く方が得意」な自衛官にも、民間で“体を使って伝える仕事”は多くあります。
まとめ|通用するかどうかは“言い換え方”と“伝え方”次第
「自衛官の経験は、民間で通用しますか?」と聞かれたら、私はこう答えます。



「通用するかどうかは、“どう伝えるか”で決まります。」
民間では、肩書きや階級ではなく、「今、誰のために何を伝えるか」が問われます。
でも安心してください。あなたが現場で自然に身につけてきた“伝える力”は、すでに武器になります。
その力を信じて、一歩踏み出してみてください。
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