私は長年務めた自衛隊を退職し、現在は民間のトレーニング施設で安全教育のインストラクターとして働いています。転職という人生の大きな決断を経て、今は新しい環境の中で、これまでにない経験と出会いに恵まれながら充実した日々を送っています。
現在の職場について
私が勤務しているのは、とある民間のトレーニング施設です。主に製造業や建設業に携わる事業者の方々、また各種メーカーの方々が安全教育を受けに来られる場所です。全国各地から受講者が集まり、北海道から九州まで、時には離島から来られる方もいらっしゃいます。
そして、日本国内にとどまらず、海外からの参加者も多くいらっしゃいます。インドやミャンマー、ネパール、台湾、韓国、さらにはヨーロッパからも受講者が訪れ、非常に国際色豊かな環境です。英語が得意とは言えない私ですが、同僚がしっかりと翻訳などのサポートをしてくれるおかげで、何とかやり取りできており、改めて民間のチームワークの柔軟さを実感しています。
どんな人たちと働いているか
職場には、男女問わずさまざまな経歴を持ったスタッフが在籍しています。現場経験が豊富なベテランの方、若いけれど専門知識に長けた方、そして元消防士という経歴を持つ方もいます。特に長年現場で培った経験を持つ方々との会話は、日々の学びにつながっています。
また、施設には女性のインストラクターもいて、多様な視点から教育が提供されていることも、この職場の魅力の一つです。皆さん非常に協力的で、お互いをリスペクトしながら仕事をしている、そんな風通しの良さを感じる職場です。
どんなことを教えているか
私が担当しているのは、安全に関する基本的な知識と技術の教育です。内容は多岐にわたります。
- 怪我をしないための体の使い方(荷物の持ち方、作業中の姿勢など)
- 高所作業の安全な手順や注意点
- 高所作業中の事故を想定した救助方法
- 応急処置の方法(出血対応や骨折時の対応など)
- 火災発生時の初期対応や避難方法
これらを、実技やシミュレーションを交えながら指導していきます。受講者の皆さんが真剣な表情で取り組む姿を見ると、こちらも身が引き締まる思いです。
また、教えるだけでなく、受講者の方々から現場のリアルな声を聞けるのもこの仕事の大きな魅力です。「実際の現場ではこうなんですよ」といった話を通して、私自身の知識もアップデートされていきます。
日々の生活と仕事のやりがい
平日はトレーニング施設近くの従業員用アパートに滞在し、朝は筋トレをしてから出勤。夜は自炊して晩酌を楽しむという生活を送っています。設備も整っていて、生活環境はとても快適です。
週末は自宅に戻り、家族とゆったりとした時間を過ごします。平日が忙しいぶん、週末は心と身体をリセットする大切な時間です。
施設そのものも非常にきれいに保たれており、その維持のための清掃も大切な仕事の一つです。私は清掃にも力を入れていて、「きれいな施設ですね」と言われると、心からうれしく思います。小さなことかもしれませんが、そうした積み重ねが施設全体の雰囲気を作るのだと思っています。
転職してよかったこと
転職して、これまでとはまったく違う景色を見ることができました。軍隊のように厳格な上下関係や命令系統がない代わりに、自分で考えて動く柔軟性が求められる民間の現場。最初は戸惑いもありましたが、今ではそれが面白さでもあります。
何よりも、多くの人との出会いがあり、その一つひとつが自分の人生を豊かにしてくれていると感じます。文化も年齢も違う人たちと、同じ目的を持って学び合える場所に身を置けていることに、感謝の気持ちを持っています。
これからも、安全教育を通じて一人でも多くの人の「気づき」や「行動の変化」に貢献できるよう、誠実に向き合っていきたいと思います。